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米ホルテックのSMR 英GDAステップ2を完了
書誌情報
要旨
米ホルテック・インターナショナル社の小型モジュール炉SMR-300(電気出力30万kWe)が、英国の包括的設計審査(GDA:Generic Design Assessment)のステップ2を完了した。英国の原子力規制庁(ONR)と環境庁による審査の結果、「安全性・設計・セキュリティ・保障措置に英国規制要件への根本的な不備はない」と結論付けられた。ホルテックはEDFエナジーと提携し、旧コッタム石炭火力跡地への建設を計画しており、プロジェクトコストは約110億ポンドと見積もられる。
背景
英国GDA(包括的設計審査)とは
- 英国で初めて建設される炉型に対して実施される設計認証審査プロセス
- 安全・セキュリティを担うONR(原子力規制庁)と環境影響を評価する環境庁が共同実施
- ステップ1(受理・初期審査)→ステップ2(詳細技術審査)→ステップ3(設計認定証発行)の3段階構成
- EPR(仏アレバ)、AP1000(米ウェスチングハウス)がGDA取得実績あり
ホルテック SMR-300の概要
- 米ホルテック・インターナショナル社が開発する加圧水型SMR(電気出力300MWe)
- 自然循環冷却を基本とした受動的安全設計
- 使用済み燃料貯蔵技術(CISF)でも知られ、廃炉事業とのシナジーを持つ
- 米国ではパリセード・サイト(ミシガン州)での再稼働・新設計画が進行中
英国の原子力政策動向
- 英国政府は2022年の「英国エネルギー安全保障戦略」でSMR推進を明確化
- GBN(Great British Nuclear)がSMR技術選定プロセスを主導
- ロールスロイス SMRやGE日立のBWRX-300なども英国市場でGDA手続き中
主な内容
GDAステップ2完了の意義
- ONRがSMR-300の「安全性・設計・セキュリティ・保障措置に英国規制要件への根本的な不備はない」と正式に結論
- GDA最終段階(ステップ3)への移行が可能となった
- ステップ3では詳細設計検証・最終的な設計認定証(DAC)の発行が行われる
英国コッタムサイトへの建設計画
- ホルテックはEDFエナジー(英国法人)と提携し、旧コッタム石炭火力発電所跡地(ノッティンガムシャー州)への建設を計画
- プロジェクトコスト:約110億ポンド(約2兆円)と見積もり
- 建設・運営を通じた「数千人の雇用創出」を地域経済へのアピールポイントとして強調
米国との並行展開
- パリセード・サイト(ミシガン州)でSMR-300の2030年代初め稼働を目標
- 2025年末にNRC(米原子力規制委員会)へ建設許可申請を提出済み
- 英米二正面での許認可取得により設計の国際的信頼性を高める戦略
今後の展開
- GDAステップ3(最終設計検証・DAC発行)への移行が最重要マイルストーン
- 英国政府GBNのSMR技術選定プロセスにおけるホルテックの競争優位が向上
- コッタムサイトでの建設許可申請(Development Consent Order)手続き開始が見込まれる
- NRCでの許認可と並行することで、英米共通設計認証の先例となる可能性
- 石炭火力跡地活用モデルとして、英国内の他サイト展開への波及も期待される
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