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増井理事長 定例会見で原子力政策の課題を示す
書誌情報
要旨
日本原子力産業協会(JAIF)の増井秀企理事長が2026年4月3日に定例記者会見を開催し、直近の政府委員会での発言内容をもとに日本の原子力政策における6つの課題・方向性を示した。人材育成の司令塔機能整備、次世代革新炉の建て替え手続きの明確化、高レベル放射性廃棄物処分への国の主体的関与、原子力損害賠償制度の見直し、米NEIとの国際連携、エネルギー安全保障における原子力の役割が主要論点として挙げられた。
背景
JAIFと増井理事長について
- 日本原子力産業協会(JAIF)は日本の原子力産業界の代表的な業界団体
- 増井秀企理事長は定期的に記者会見を行い、産業界の立場から政策提言を行っている
会見の背景となる政策動向
- 政府のGX(グリーントランスフォーメーション)脱炭素電源法に基づく原子力政策の転換が進行中
- 次世代革新炉の建て替えに向けた制度整備が各委員会で議論されている
- NUMO(原子力発電環境整備機構)による高レベル放射性廃棄物の最終処分地選定プロセスが進展
- 中東情勢の緊迫化によりエネルギー安全保障への関心が高まっている
主な内容
① 人材育成の司令塔機能
- 原子力人材育成ネットワークに司令塔機能を担わせる方向で検討が進んでいることを評価
- 「極めて適切な見直し」として業界として支持する姿勢を表明
② 次世代革新炉の建て替え手続き
- 原子炉設置変更許可申請前のプロセスに不明確な点が残っていると指摘
- 福島事故前から申請中の案件の扱いについて「合理的な制度の整備」を要求
③ 高レベル放射性廃棄物処分
- 国が東京都小笠原村に文献調査を申し入れたことを「画期的な動き」と高く評価
- 国が主体的に関与した初めての事例として位置づけ
④ 原子力損害賠償制度
- 現行の無過失・無限責任制度が民間事業者の投資判断の障害になっているとの問題意識を表明
- 十分な事前検討と段階的な制度見直しの必要性を強調
⑤ 国際連携(日米)
- 米国の原子力エネルギー協会(NEI)との協力覚書(MOU)締結を報告
- インド太平洋地域における原子力開発支援を日米共同で推進すると表明
⑥ エネルギー安全保障
- 中東情勢の緊迫化を踏まえ、ウラン調達先の多様性と国内備蓄の優位性を強調
- 「原子力はエネルギー安全保障の観点から一定の耐性を有する電源」と位置づけ
今後の展開
- 日本原燃の再処理工場(六ヶ所村)の竣工に向けた審査・工事の進捗が引き続き焦点
- 柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に向けた手続きの進展に注目
- フランスとの高速炉協力(アストリッド後継炉)に関する具体的な協力内容の明確化
- 小笠原村への文献調査申し入れに対する村の対応と、今後の最終処分地選定プロセスの展開
- 原子力損害賠償制度の見直しに向けた政府内検討の本格化
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