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伊方発電所 前面海域調査を実施へ
書誌情報
要旨
四国電力は2026年4月7日、伊方発電所前面の海域(約2km×10kmの範囲)において海底ボーリング調査および海上音波探査を実施すると発表した。目的は確率論的リスク評価(PRA)の高度化であり、発電所沖合6〜8kmに分布する中央構造線断層帯の地質データ拡充と知見深化を図る。調査期間は2026年4月中旬から9月を予定。この調査により確率論的地震ハザード解析の精度を向上させ、地震リスクをより正確に評価・対応する体制を強化する。
背景
伊方発電所の概要
- 立地:愛媛県伊方町(四国電力)
- 運転中の炉:3号機(PWR、89万kWe)
- 1・2号機は廃炉(順次廃止措置進行中)
- 3号機は2018年再稼働、2025年5月に4回目の安全性向上評価を規制委員会へ提出済み
中央構造線断層帯の位置づけ
- 中央構造線は西日本を横断する日本最大規模の断層系
- 伊予灘区間は伊方発電所前面の海域(沖合6〜8km)を通過
- 2016年熊本地震以降、活断層の活動評価の重要性が再認識されており、評価の精緻化が求められている
PRA(確率論的リスク評価)の役割
- PRAは想定しうるすべての事故シナリオを確率・頻度で評価し、リスクの優先順位付けと対策の費用対効果を定量化する手法
- 日本の新規制基準(2013年〜)でも、安全性向上評価においてPRAの活用が事業者に求められている
- 地震PRA(確率論的地震ハザード解析)では断層の活動確率・揺れの強さ分布を確率分布として評価する
主な内容
調査の概要
- 発表日:2026年4月7日(四国電力)
- 調査範囲:伊方発電所前面海域(約2km×10km)
- 調査手法:①海底ボーリング調査、②海上音波探査
- 調査期間:2026年4月中旬〜9月
- 対象断層:中央構造線断層帯(伊予灘区間、沖合6〜8km)
調査の目的
- 中央構造線の活動時期・変位量・断層形状に関する地質データの拡充
- 確率論的地震ハザード解析(PSHA)の精度向上
- 地震発生確率を踏まえた揺れの強さ評価による安全対策効果の比較・評価
- PRA高度化による施設全体の安全性の総合的評価
安全性向上評価との関係
- 四国電力はこれまでもPRAを活用した自主的な改善活動を継続
- 米国の最新手法(NUREG等)に準拠した確率論的地震ハザード解析を導入済み
- 3号機では2025年5月に4回目の安全性向上評価を原子力規制委員会へ届け出
今後の展開
- 2026年9月の調査完了後、収集したデータを解析してPRA(地震ハザード解析)に反映
- 解析結果をもとに必要に応じて追加安全対策を検討・実施
- 次回(5回目)の安全性向上評価への反映が見込まれる
- 調査結果は原子力規制委員会への報告・審査対応にも活用される
- 伊方3号機の運転期間延長申請(2034年満了に向けた申請準備)との兼ね合いでも、地質評価の高度化は重要
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