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福井県立地自治体 経産省へ要望
書誌情報
要旨
福井県原子力発電所所在市町協議会(会長:西嶋久勝高浜町長)が、経済産業省の井野俊郎副大臣に要請書を提出した(4月10日)。協議会は立地地域としてエネルギー政策への協力意思を示す一方で、燃料サイクルと高レベル廃棄物の最終処分の遅延に強い懸念を表明。政府に対し、国民理解の醸成・人材育成・燃料サイクル推進・防災インフラ整備・交付金拡充・廃炉地域支援の6項目を要求した。
背景
福井県立地自治体の役割と課題
- 福井県には関西電力の美浜・大飯・高浜、日本原電の敦賀という4発電所が立地
- 全国最多の原子炉が集中する「原子力立地県」として長年エネルギー政策を支えてきた
- 福井県原子力発電所所在市町協議会は立地市町の総意を国に伝える窓口組織
燃料サイクル政策の停滞
- 六ヶ所再処理工場(青森県):操業開始が26回延期、現時点でも竣工未了
- 中間貯蔵施設(福井県内):使用済み燃料の県外搬出が約束されているが進捗遅延
- 高レベル放射性廃棄物最終処分地:選定プロセスが文献調査段階(北海道2自治体のみ)にとどまる
廃炉に伴う地域経済への影響
- 美浜1・2号機、敦賀1号機など廃炉決定炉が増加
- 廃炉工事は数十年規模の事業だが、運転時と比べ地域経済への貢献(税収・雇用)が減少
- 立地自治体は長期的な地域振興策の充実を求めている
主な内容
要請書の6項目
- 政府の「原子力最大限活用」に向けた国民理解の醸成と安全確保
- 原子力分野の人材確保・育成の強化
- 燃料サイクル政策の推進(六ヶ所再処理工場の早期完成・稼働)
- 防災関連インフラ整備の強化
- 交付金制度の充実(電源立地地域対策交付金等)
- 廃炉に伴う地域経済支援の拡充
会長・副大臣の発言
- 西嶋会長(高浜町長):「立地地域として今後も国のエネルギー政策に協力し、国民経済を支える役割を果たしていきたい」と協力姿勢を示しつつ、燃料サイクル・最終処分について「将来に対する不安を感じている」と懸念を表明
- 井野副大臣:原子力を「準国産エネルギーとして安定供給に資する重要な電源」と位置付け、燃料サイクル・最終処分の進展遅延については「対話強化に取り組む方針」を示した
今後の展開
- 六ヶ所再処理工場の竣工・操業開始が燃料サイクル問題解決の最重要課題。日本原燃の計画通り2024年度内完成が達成されるかが焦点(再延期の可能性も残る)
- 使用済み燃料の中間貯蔵施設(福井県外搬出)は、むつ中間貯蔵施設(青森県)への搬出が2025年代に予定されており、その実現が立地地域との信頼関係維持の鍵
- 高レベル廃棄物最終処分地の選定では、概要調査・精密調査への移行が極めて重要。現行の文献調査のみでは立地自治体の不安は解消されない
- 廃炉地域支援については「廃炉関連税制」「廃炉交付金」の新設・拡充が立法課題として浮上している
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