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ニュークレオ LFRで米国参入へ
書誌情報
要旨
フランス・パリに本拠を置く先進炉開発企業ニュークレオ社が、米国市場参入に向けてNRC(米原子力規制委員会)との事前申請協議を開始した。対象は出力48万kWt(熱出力)の鉛冷却高速炉(LFR)と関連するMOX燃料製造施設。米国での先進燃料製造インフラ開発に向け、オクロ社とのパートナーシップのもと最大20億ドルの投資計画も発表している。欧州ではフランスで2032年までに原型炉「LFR-AS-30」(3万kWe)の稼働を目指す。
背景
鉛冷却高速炉(LFR)の特徴
- 冷却材に液体鉛(または鉛ビスマス合金)を使用する第四世代高速炉
- 中性子エネルギースペクトルが高速で、燃料増殖・アクチニド燃焼が可能
- 沸点が高く(鉛:1749℃)、常圧運転が可能で受動的安全性に優れる
- ロシアのSVBR-100やBREST-OD-300が先行開発例として知られる
ニュークレオ社の概要
- 2019年設立のフランスのスタートアップ。CEAやEDF出身の技術者が中心
- LFR技術をベースに欧米市場での商業化を目指す
- 欧州(フランス・イタリア)と米国の二正面展開を進める
米国の先進炉規制環境
- NRCは2019年以降「先進炉許認可フレームワーク(Part 53)」の整備を進めている
- ADVANCE法(2024年)により許認可コストの低減・期間短縮が法定化
- オクロ、テラパワー、X-エナジーなど複数の先進炉企業がNRCと事前協議中
主な内容
NRCとの事前協議の内容
- NRCとの「Pre-Application Engagement」を正式に開始
- 目的:設計・安全アプローチについてNRCと認識を合致させ、将来の許認可申請に向けた規制戦略を明確化
- 対象設備:LFR本体(熱出力48万kWt)+MOX燃料製造施設
オクロ社との協力
- 米先進炉企業オクロ社(高速炉・核燃料リサイクル専門)とパートナーシップを締結
- 米国での先進燃料製造インフラ開発に向け最大20億ドルを投資する計画
- MOX燃料製造施設は使用済み燃料の再処理・燃料サイクル閉鎖にも寄与
欧州での開発状況
- フランスで原型炉「LFR-AS-30」(電気出力3万kWe)の開発中
- 2032年までの稼働を目標
- 欧州委員会の先進炉支援プログラム(Clean Energy Transition)の対象
今後の展開
- NRCとの事前協議を通じて設計認証申請(DC)または建設・運転認可申請(COL)への道筋を確立
- 欧州でのLFR-AS-30原型炉建設と並行して米国市場でのサイト選定・事業者との協議が進む見通し
- オクロ社との燃料製造インフラ共同開発が進めば、LFR用燃料の国産化・供給安定化に道が開ける
- フランス政府の先進炉支援策(2026年予算法)との連動によるプロジェクト加速も期待される
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