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【第59回原産年次大会】OECD/NEAと初共催 人材戦略を議論
書誌情報
要旨
2026年4月14〜15日、東京国際フォーラムにて第59回原産年次大会が開催された。国内外から約850名が参加し、「原子力の最大限活用を支える人材戦略」をテーマに議論が交わされた。本大会は初めてOECD/NEAとの共催で実施され、国際的な人材育成の課題と日本の原子力産業の将来像について活発な意見交換が行われた。三村明夫JAIF会長は原子力を「準国産エネルギー」と位置付け、OECD/NEAのマグウッド事務局長は「人材は原子力の将来を左右する最大の鍵」と強調した。
背景
原産年次大会とは
- 日本原子力産業協会(JAIF)が毎年開催する国内最大規模の原子力総合イベント
- 国内外の原子力関係者が一堂に会し、政策・技術・産業動向を議論する場
- 今回は初めてOECD/NEA(パリ)との共催形式を採用
人材問題の深刻化
- 2011年の福島第一原発事故後、原子力関連の大学定員削減・志望者減が顕著
- プラントエンジニアや規制担当者の高齢化・退職が進み、技術継承が課題
- 既設炉の再稼働・次世代革新炉建設に向け、人材確保は喫緊の課題
OECD/NEAの役割
- OECD/NEAは原子力分野における国際的な政策・規制・研究協力を推進する機関
- マグウッド事務局長のもと、人材育成・知識管理(Knowledge Management)を重点テーマとして取り上げる
- 加盟国間での教育プログラム共有や共同研究の調整機能を担う
主な内容
三村明夫JAIF会長の基調発言
- 中東情勢の緊迫化を受け、エネルギー安全保障の観点から原子力を「準国産エネルギー」と位置付け
- 日本のエネルギー自立度向上のために原子力人材確保が不可欠と主張
小森卓郎経産省政務官の発言
- 「人材基盤は弱体化している」と現状を率直に評価
- 持続可能な人材構造の再構築を「急務」と表現し、政策的対応の必要性を強調
マグウッドOECD/NEA事務局長の講演
- 世界的に「新たな原子力時代(Nuclear Renaissance 2.0)」が到来していると分析
- 「人材は原子力の将来を左右する最大の鍵」と述べ、国際協調による人材育成の重要性を訴え
上坂充原子力委員会委員長の講演
- 日米欧の高等教育システムを比較分析
- 国際標準に基づく人材育成カリキュラムの整備と、産学官連携強化の必要性を提言
今後の展開
- 大会2日目(4月15日)の議論・セッション内容の報道が続く見込み
- OECD/NEAとの共催を契機に、日本とNEA加盟国間での人材育成・教育プログラム協力が深化する可能性
- 経産省が人材確保に向けた具体的施策(奨学金・給与水準改善・キャリアパス整備等)を打ち出すかが焦点
- 次世代革新炉・SMR建設計画の進展に合わせた人材需要予測と計画的育成が求められる
- 大学での原子力工学教育の再強化(学部・大学院定員・カリキュラム)に向けた官民連携が期待される
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