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Xe-100

米国 X-energy社 が開発する 小型モジュール炉(SMR)。 ペブルベッド型の高温ガス炉(HTGR)であり、固有安全性と高温熱利用を特徴とする次世代炉。

基本仕様

項目仕様
炉型高温ガス炉(HTGR)/ ペブルベッド型
熱出力200 MW(th)
電気出力約 80 MW(e)
冷却材ヘリウムガス(約 7 MPa)
減速材黒鉛
燃料TRISO燃料(ペブル形状、直径 6 cm)
冷却材出口温度約 750 ℃
炉心平均出力密度約 4.5 MW/m³
モジュール展開4基で約 320 MW(e)(スケーラブル)

安全性

固有安全性(炉心溶融なし)

出力密度が非常に低く、冷却材喪失事故時でも炉容器からの輻射・自然対流だけで崩壊熱を除去できる。 能動系(ポンプ・電源・弁)に頼らず物理法則で安全が成立する。

負の温度係数による自己制御性

燃料温度が上昇するとU-238の共鳴吸収(ドップラー効果)で反応度が自動的に低下する。 BWRのボイド反応度係数と同様の負のフィードバックだが、Xe-100では温度係数だけで十分な制御性を持つ。

TRISO燃料による多重閉じ込め

燃料粒子1個1個がSiC層などによる独立した閉じ込め障壁を持つ。 設計基準事故でも燃料温度は 1600 ℃以下 に保たれ、FP(核分裂生成物)の放出を防ぐ。 軽水炉のような「被覆管破損→冷却材汚染」という概念が原理的に生じにくい。

熱流動

冷却材(ヘリウム)の特性

特性ヘリウム水(BWR)
相変化なし(単相)あり(二相流)
体積熱容量非常に小さい大きい
腐食性なしあり
運転圧力約 7 MPa(大流量で補う)約 7 MPa(BWR)

炉心熱流動(充填層)

蒸気発生器(SG)

ヘリウム(750 ℃)→ ガス-液熱交換器(SG) → 水蒸気(約 565 ℃)→ タービン発電 or 工業熱利用
SG二次側では通常の沸騰熱伝達が生じる。高温熱(750 ℃)を活用して水素製造・製鉄などの産業プロセス用途にも展開可能。

BWRとの比較

観点BWRXe-100
冷却材水(二相流)ヘリウム(単相)
主要安全機能ECCS(能動)受動(輻射・自然対流)
崩壊熱除去注水が必要無注水で自然冷却
燃料損傷モード被覆管破損TRISO破損(~1600 ℃)
熱流動の特徴二相流・ボイド率管理充填層・単相だが体積熱容量小
設計熱的制限値限界出力比(CPR)最高燃料温度(1600 ℃)

開発状況

関連キーワード

SMR(小型モジュール炉) 高温ガス炉(HTGR) TRISO燃料 ペブルベッド 固有安全性 充填層熱流動 第四世代炉 X-energy