← 用語集に戻る

VVER(ロシア製加圧水型軽水炉)

Vodo-Vodyanoy Energetichesky Reaktor(ロシア語:水冷水減速動力炉)。 Rosatomが開発・輸出するロシア製の加圧水型軽水炉(PWR)。 物理原理は西側PWRと同じだが、六角形燃料集合体・横置き蒸気発生器など独自の設計を持つ。 世界40か国以上で運転・建設・計画中であり、輸出実績はロシアの原子力外交の柱となっている。

PWRとしての位置づけ

VVERは「ロシア製PWR(Russian PWR)」とも呼ばれる。 一次系を高圧に保ち冷却材を沸騰させず、蒸気発生器で二次系に熱を移送してタービンを回す基本原理は西側PWRと共通。 ただし燃料集合体・蒸気発生器・加圧器など主要コンポーネントの設計は大きく異なる。

主要シリーズの比較

型式出力世代主な特徴
VVER-440 440 MW(e) Gen II 東欧・旧ソ連圏に多数導入。格納容器なしのモデルも存在(Model 230)
VVER-1000 1,000 MW(e) Gen II / III 格納容器あり。中国・インド・ウクライナ等に導入。運転実績豊富
VVER-1200 1,200 MW(e) Gen III+ 受動的安全系・コアキャッチャー搭載。ニントゥアン1号の採用候補
VVER-TOI 1,300 MW(e) Gen III+ VVER-1200の改良型。ロシア国内向けに開発中

西側PWRとの主な設計上の違い

項目西側PWR(例:AP1000)VVER(-1200)
燃料集合体形状 正方形(17×17等) 六角形
蒸気発生器配置 縦置き 横置き(水平型)
ループ数 2〜4ループ 4ループ(VVER-1000/1200)
受動的安全系 AP1000はあり、旧来型はなし VVER-1200はあり
コアキャッチャー 機種による 標準装備(炉心溶融時に溶融物を受け止める装置)
格納容器 鋼製または鉄筋コンクリート製 二重格納容器(内部鋼製+外部コンクリート)

VVER-1200 の受動的安全系

主な導入国・プロジェクト

型式状況
ロシアVVER-1000 / 1200複数基運転中。レニングラード2号機等でVVER-1200稼働
中国VVER-1000田湾原子力発電所で運転中
インドVVER-1000クダンクラム原子力発電所で運転中・増設中
ハンガリーVVER-1200パクシュ2号機として建設中
トルコVVER-1200アックユ原発として建設中
ベトナムVVER-1000 / 1200ニントゥアン1号として計画中(凍結→再始動議論中)

関連キーワード

PWR Rosatom コアキャッチャー 受動的安全系 Gen III+ 六角形燃料集合体 蒸気発生器 ニントゥアン第一原子力発電所 核燃料サイクル